ユタカに生きる

「ビジネスの未来」を読了しました。山口周さんの本は何冊か読んでるんですが、今回は「すごい本を出版されたな」と。山口さんが培った論理的な考察と蓄積された哲学など教養がぎっしり詰まっていました。

もうビジネスにおいての物質的不足の解消という宿願は果たしつつある。もう物質的貧困から抜けて高原社会になり「文明的な豊かさを生み出すビジネス」から「文化的豊かさを生み出すビジネス」へ転換していく。。。という冒頭の文章から、ずっと没入してしまいました。

もう日本はGDPというアメリカが考案した、恣意的に操作ができる数値を目標に「ミニアメリカ」を追い続けるのはやめ「人間性から生まれる衝動性」でこれからの仕事選びをする時代。「問題解決にかかるための費用」と「問題解決によって得られる利益」が均衡するラインを「経済合理性限界曲線」という表現をされてますが、その「経済合理性限界曲線」の内側の仕事はもう限界がある。エコノミーにヒューマニティを埋め込んだ「文化的豊かさ」。それを生み出すために何をするのか?

●その経済合理性限界曲線の外側にも目を向けて真にやりたいことを見つけ取り組む。

●真に応援したいこと物事にお金を払う。

●ベーシックインカムを導入する。

といった内容でした。こんな簡単に要約できない内容がぎっしりですがブログなのでこの辺で。。。

もう利益を上げるための仕事でなく文化的な豊かさを実現するためにカギとなる政策も盛り込まれてます。ここは賛否両論な内容かと思いますが。

「衝動という主人」が「スキルという家来」を使いこなし人間は進化してきたはずのに、今は「スキルが主人になって衝動を圧殺している」とか。もう「小さなアメリカ」を目指す社会は終わりにして、なんでも「好き嫌い関係なくやってみなさい。」それが一番早いと。また最後の方で「無駄や浪費をしてしまえ」そこから真の豊かさが生み出されるし、生きるの値する世界の実現は個人の革命から生まれる。まずは資本主義の内側からハックしてみよう。などのメッセージはとても印象的だし心の底から共感できました。

哲学や経済などあらゆる側面からかなり的確に今の社会の本質をついて、さまざまな問題を炙り出してます。

この記事を書いた人

Sosuke

デザインで日本の産業を元気にする。をモットーに横浜馬車道でデザイン会社を経営しております。どうぞ宜しくお願い致します。
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