天才がくれた武器

「僕は君たちに武器を配りたい」を読了しました。

帯にある「これから社会に旅立つ、あるいは旅立った若者が、非情で残酷な日本社会を生き抜くための「ゲリラ戦」のすすめである」の言葉に惹かれて購入した本。この本、初版が8年前なんですが社会情勢は少し変わったものの、内容が全く色褪せてないんですよね。

著者の瀧本哲史さんは京大の教授なんですが、インテルとUCバークレーが主催する全世界規模の学生向けのビジネスプランコンテストに、学生たちを率いて参加し日本の大学初出場でなんと決勝ベスト8まで導いた教授なんです。優勝賞金は200万なんですが、投資家の目にとまれば数億円の出資を受けられる。すぐにでも事業化できるような精度の高いコンテスト。実践型の教授で実力もお墨付き。とてつもない。。。

結論から言うと、帯の通りこの先の日本の資本主義でのあらゆる産業のコモディティ化(市場参入時にすぐに真似されて市場価値が下がる)の波を、どう乗り越えるのかを伝えた本です。

「お金」を「魚」に見立て、資本主義を「海」とし、そこで働く「ビジネスマン」を「漁師」として例えて主体的に稼げるようになる近道をわかりやすく教えてくれてます。それには(1)トレーダー、(2)エキスパート、(3)マーケター、(4)イノベーター、(5)リーダー、(6)インベスターのいずれかになること。ただし(1)トレーダーと(2)エキスパートには今後厳しい運命が待ち受けているだろうから、トレンドとサイクルを正確に見極めて自分の頭で考え正しいと思った道に迷わず進み、外貨が落ちる仕組みを作りなさい。と。

武器としての正解はないが、リスクを他人に預けるような生き方をするな。と。

これからのデザイン会社でも企業の「世界観」や「らしさ」を制作して織りなすだけでなく、最終的には外貨が落ちる仕組みまで精度を上げて作るのが非常に重要なんですよね。ちゃんと英語習おう。

また残念な事に著者の瀧本さんは2019年に逝去されました。周囲の方曰く「優しい天才」だったそうです。もう著作が読めないのかと思うと非常に残念でなりません。

瀧本さんが大好きだったという「君たちはどう生きるか」が自宅にあるので読み返してみようかと思います。

本当に若い人に読んでほしいです

この記事を書いた人

Sosuke

デザインで日本の産業を元気にする。をモットーに横浜馬車道でデザイン会社を経営しております。どうぞ宜しくお願い致します。
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