人は心のこもったものが好き

数年前に鉄分不足をなんとなく体調から察し、南部鉄器を購入するため、各所探し回ったのですが、さすが900年も歴史がある南部鉄器。砂鉄から鋳造し鋳物師(いもじ)が作った伝統工芸品から、生型鉄器の量産型まで幅広くあり、なんと工芸品では何十万円とするものも。結局、ふるさと納税で岩手県産の生型量産型を購入しました。とはいえ砂を握ってその感触を確かめ、溶かした鉄の色を見つつ汗を流し、重い鋳型を上げ下げして、丁寧に作られています。何と言っても、ちょっとやそっとじゃ壊れないこの佇まいが、落ち着くんですよね。

我が家ではストーブの上の置いて使っております。

南部鉄器の醍醐味は何といっても鉄瓶のデメリットを解消すべく「育てる」こと。使うほどに風格が出て、湯垢がつき錆びにくく、お湯が柔らかく美味しくなるし、大事に使えば生涯使えます。やがて土に還るので環境にも優しい。

心を込めて作ったものというのは人の心に残ります。日本でも古くから和装の仕立て直しや、布団の打ち直しなど、身の回りのものをリメイクしながら継承していく文化があったし、昔から多少不便であっても大事に使えば生涯使えるものを選ぶのが、実は一番賢い生き方なんじゃないかと思います。

もう使い捨てのものを追う時代から、本当に良いものの意味を感じながら長く使うことへの価値を見直す時代へ戻ってきているとつくづく感じます。手間をかけて作るのは、まさにモノづくりの原点。弊社が依頼を受けるデザインでも生涯愛されるものを作り、ずっと使い続けていってもらいたいと心から思います。

同じく南部鉄器の急須。大事に大事に使っています。

この記事を書いた人

Sosuke

デザインで日本の産業を元気にする。をモットーに横浜馬車道でデザイン会社を経営しております。どうぞ宜しくお願い致します。
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